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8/10 「コミックマーケット82」
東5ホール ミ22b/Double Sun Burst
*新刊あり
※当日サークルの頒布物(本)は年齢制限のものが含まれます。ご了承くださいませ。
※当日は特に掲示しておりませんが、スケブは可能な限りお受けさせて頂きたいと思っています。
スペースに居るものに気軽に尋ねてみてください。30分~1時間くらい見て頂ければ幸いです。
新刊/
「Raspberry*toffee」※R18
ジュアル/28P/予価400円/オンデマンド
フミツキさんとの合同誌、私の方は台所おセックスのジュアルちゃんのお話
※私は漫画、フミツキさんは小説担当です
8/19 「SUPER COMIC CITY関西18」
6号館Dゾーン ろ23a/Double Sun Burst
*新刊あり
※当日サークルの頒布物(本)は年齢制限のものが含まれます。ご了承くださいませ。
※当日は特に掲示しておりませんが、スケブは可能な限りお受けさせて頂きたいと思っています。
スペースに居るものに気軽に尋ねてみてください。30分~1時間くらい見て頂ければ幸いです。
新刊/
※この記事のつづきに本文のサンプルがあります
「ムネメの器」
ガイルク/242P/予価1100円/オンデマンド
ゆらさんとの合同誌
私の方はルークちゃん視点から始まる幼少期からラストまでの回想話、ほんのり黒ガイ仕様
※小説合同誌(文庫)になります
既刊※C82、インテ共通です/
「superDarkness」※R18
ガイルク/36P/500円/オンデマ
「どういうことか説明してよね!」※R18
ジュアル/16P/200円/コピー
「As you sow, so shall you reap.」※R18
ガイルク/24P/400円/オンデマンド
ガイって不思議なヤツだ。
オレは四年前…十の時にマルクトに誘拐されてから、それまでの記憶がない。
だからオレが知っているのはそれからのガイのことだけど、それでもいっぱいガイのこと知ってる。…と思う。ってかそれくらいしか知らないっていうのもちょっとあるんだけど。
なにもなくなってしまったオレにあれこれを教えてくれたのはガイだ。
喋るってこと、それに必要な言葉、みんなの名前、ものの名前、文字、歩き方、食事の仕方に作法、遊び、…それに、ちょっと悪いことも。例えば厨房に忍び込んで、つまみ食いさせて貰えるってこととか。
それにガイは物知りだ。オレは勉強はそんなに好きじゃねーけど図鑑を見たり、ちょっとした本を読むのは好きだったから分からないことはなんでもガイに聞い た。ただ音機関の話に関してはパスな。本当に終りが見えねー。あーいうの偏執狂って言うんだろ?これはガイがボヤいてたから知ってるんだけど。
初めの内はオレより年が四つも上だから色々知ってるのかなって思ったけど、周りの評価はそうでもないらしい。
明るくて人当たりがよくて、天然タラシ。仕事もテキパキこなすし、聡くて落ち着いてるって。十八にしては出来た男だってメイド達が話してた。きゃーきゃー黄色い声で話すもんだから、オレは別に聞く気なんかなかったんだけど、まあ筒抜けだ。
ガイがいなかったら普通の生活?とやらが送れなかったくらい本当にすっぽ抜けてるもんだから、面倒な事はそれをまた覚えるってことだけじゃ勿論ない。
屋敷の奴らがみんな「お可哀そうなルーク様」って目でオレを見てひそひそと囁き合ったり、以前からオレについてたっつー家庭教師は「以前のルーク様でしたら容易くこなされましたのに」と眉を顰めて愚痴るのに本当に嫌気がさした。
父上はオレなんかいないみたいに普段生活してるし、母上はそんなお可哀そうらしいオレが心配で体調を崩して部屋から出て来れないことが度々ある。それについては、ちょっと胸が痛くなる。母上のことは好きだから。
そんな中でガイだけは「お前はお前だよ」って笑いながら言ってくれる。「無理して記憶なんか取り戻さなくたって、今のお前がいいよ」って。
ガイがオレの頭を撫でながらそう言ってくれるだけで、こんな生活もまあもう暫くはそんなに悪くはないかな、なんてあんまり素直じゃないことをオレは考えたりする訳だ。
もう湯浴みも終えた遅めの時間だった。
オレは医者から言いつけられた記憶障害のためらしい日記に、2、3行いつもとそう大差ない文章を書いてペンを置く。
日記帳を閉じて適当に机の上に放るタイミングを見計らったようにコンコンコン、って三回窓がノックされた。
「ガイ!!」
「しっ、ルーク。大きな声を出すもんじゃない。開けてくれるか?」
「ん、ちょっと待て」
ガイが夜にオレの部屋を訪ねてきてくれると寝るまで傍にいてくれるもんだから、オレはそれがすごく嬉しい。
勿論毎日は来られないし、でもたまにあることだから嬉しいんだよってガイは言う。オレにはよくわかんねー。楽しいなら毎日の方がいいんじゃねーの?
とにかく嬉しすぎて大きな声を上げたもんだから咎められてしまって、まあ理由は分かるからオレは頷いてそっとガイを部屋に招き入れた。
部屋に入って来たガイを迎える様に抱きつくと、ガイの体はひんやりしていて気持ちがいい。
きっとガイは湯浴みをしてきたばかりだったんだろう、金色の髪は湿っていて、温まった体温は外の空気ですっかり冷やされて頬が赤くなっていた。
「ガイ、つめてー」
「ごめんな、一応風呂あがったばっかりだったんだが」
「んーん、なんか気持ちいから別にいい。それより風邪ひくなよな」
「ご主人様に心配して頂けるなんて、光栄の極みですよ」
「心配するに決まってんだろ!あとそーゆーのヤメロ。うぜー」
「ははは、つれないねえ」
暫く抱き合ってたけど折角ベッドがあるのに立っている理由もないから、二人でマットレスに腰を降ろした。
ガイが髪を梳きたいっていうから、さっきもしたのになあって思いながらも好きにさせてやることにした。ガイに触れらるのは嫌いじゃないし、…まー好きって言ってやらないこともない。今日は言わないけど。
自分ではよくわからないけどオレはちょっと人見知りの気があるらしい。メイド達や白光騎士のやつらとは長く一緒にいるとは思うんだけど、陰口のことや憐みの視線もあって未だに慣れない。
そんなこんなで身の回りの世話はガイ任せだ。ガイは中でも髪の手入れが特にお好みらしい。やっぱ変なヤツ。
「お前も飽きないよなーさっきも湯浴みした後したじゃねーか」
「さっきは時間が足りなくて満足に出来てないんだよ、眠くなったら寝ていいからさせとけって」
「へいへい」
ガイは鼻歌でも聞こえてきそーな調子でオレの髪をいじってる。オレの髪は音機関じゃねーぞ。
少しうとうとしてきた所で「はい、おしまい」って優しく囁かれて目が覚めた。
振り返ろうとする前に後ろから抱き締められて、身動きがとれなくなってしまった。
それに文句を言う前に耳の裏に口付けられて、反射的に体がびくってはねてしまう。それが恥ずかしくてガイがまだ小さく口付けてる耳の方まで熱くなってきた。
「な、なんだよ…動けねーんだけど」
「うん、ごめんな」
確実にごめんなんて思ってない声で謝られて、むっとする前にため息が出てきた。いつもの事だ。
首に顔を寄せながら、胸とか腹とか、そのまま太ももの方までガイの手が這ってきて緩く撫でまわすものだからいい加減オレの方も変な感じになってきた。
そうなったら後ろからっていうのはあんまり好きじゃない。オレだってガイの顔みたいし、キスだってしたい。
そんな気持ちをこめてもぞもぞ動くと、察したようにオレのことを解放してくれた。
オレがガイの方に向き直ると少し嬉しそうににやついていて、今度こそむっとした。
「最初っからそーしろっつーの」
「抱き心地がいいもんだから、ついな」
「向かい合ってねーと、オレから色々出来ねーだろ」
「色々してくれるのか?」
「し、してやってんだろ、き、キスとか」
「そうだったな、悪い悪い」
「ぜってー思ってねーだろ…」
「バレたか」
おかしそうに小さく笑うガイにムカついて、身を乗り出して噛みつくようにキスしてやった。
ガイはちょっと驚いたみたいで、切れ長の青い目を少し見開いてる。ざまーみろ。
それからオレたちはキスし合ったりお互いの体を暫く触り合ったりしていた。なんかガイによるともっと続きがあるらしいんだけど、オレがもう少し大きくなる までまだお預けらしい。大概子供扱いだからこんなところでも子供扱いだ。もう子供じゃねーっつの。何するのか知らねーけど。
二人でベッドに転がってガイが今日あったことをおもしろおかしく話してくれてるのを聞いてる内にまた眠気が戻ってきて、視界がちょっと狭くなった。
そんなオレを見るとガイはベッドから這い出てふちに腰掛ける。ゆっくり見上げると、ガイもオレの事を見降ろしていた。
「…明日は十五の誕生日だな」
「ん…」
「もう寝ような。明日になったら今日の続き、してやるよ」
ほんとうか?って聞きたかったけど言葉が声になる前に優しく頭を撫でられてそのまま口を閉じた。
今夜もオレが寝付くまでガイはここに居てくれるらしい。明日は誕生日だし、ガイはちょっとだけ大人扱いを約束してくれるし、すごくいい気分だ。
頭を撫でていた手が顔に降りてきて頬を何度か撫でてくる。視界に影が落ちたと思ったら、ガイにキスされていた。
啄ばむようにされたキスはちゅって音が鳴って、それが何度か続いた後唇を舐められる。
ガイが離れるとそこがひんやりして、なんだかすーっとする様な感じがした。
「ルーク、俺のルーク、おやすみ…かわいいルーク」
ガイがオレの名前を呼びながらすっと目を細めて悲しそうな顔をする。
なんだかひどく疲れているようにも見えるその表情は、今見るのが初めてって訳じゃない。
屋敷の玄関に飾ってある剣を見つめている時とか、昼間庭で遊んでるオレを遠くから見つめている時とか、あと今みたいにオレが夜眠りに落ちる直前にする顔だ。
だから夜にその顔を見ると、もう一日が終わるんだなって思う。でも今日はいつもより眉を顰めているような気がする。
いつもだったらキスで終わる筈なのにガイはまだオレの顔を撫でていて、頬から首に流れると片手だったそこにもう一方の手もそえられる。
温かい体温に包まれて、血管がとくとくとなっているのが耳に響く。なんだかひどく心地よかった。
「大丈夫だよルーク、明日になってもあいしてる」
「がい…」
あいしてる、っていうのは好きのもっともっとすごいやつなんだ、ってガイから聞いていたのでオレは嬉しくなった。
もう眠くて名前を呼ぶので精いっぱいだ、明日起きて「誕生日おめでとう」って言われたらありがとう、オレもあいしてる!って返そう。
「出会った時から、どんなに先まで、俺にはお前だけだ」
きゅうっと少し力がこめられた手のひらからますます強く体温を感じる。オレとは違って大きな大人の男の手をしたガイのそれに包まれている事実にオレは無性に安心して、目を瞑るとそのまま意識を手放した。
オレは四年前…十の時にマルクトに誘拐されてから、それまでの記憶がない。
だからオレが知っているのはそれからのガイのことだけど、それでもいっぱいガイのこと知ってる。…と思う。ってかそれくらいしか知らないっていうのもちょっとあるんだけど。
なにもなくなってしまったオレにあれこれを教えてくれたのはガイだ。
喋るってこと、それに必要な言葉、みんなの名前、ものの名前、文字、歩き方、食事の仕方に作法、遊び、…それに、ちょっと悪いことも。例えば厨房に忍び込んで、つまみ食いさせて貰えるってこととか。
それにガイは物知りだ。オレは勉強はそんなに好きじゃねーけど図鑑を見たり、ちょっとした本を読むのは好きだったから分からないことはなんでもガイに聞い た。ただ音機関の話に関してはパスな。本当に終りが見えねー。あーいうの偏執狂って言うんだろ?これはガイがボヤいてたから知ってるんだけど。
初めの内はオレより年が四つも上だから色々知ってるのかなって思ったけど、周りの評価はそうでもないらしい。
明るくて人当たりがよくて、天然タラシ。仕事もテキパキこなすし、聡くて落ち着いてるって。十八にしては出来た男だってメイド達が話してた。きゃーきゃー黄色い声で話すもんだから、オレは別に聞く気なんかなかったんだけど、まあ筒抜けだ。
ガイがいなかったら普通の生活?とやらが送れなかったくらい本当にすっぽ抜けてるもんだから、面倒な事はそれをまた覚えるってことだけじゃ勿論ない。
屋敷の奴らがみんな「お可哀そうなルーク様」って目でオレを見てひそひそと囁き合ったり、以前からオレについてたっつー家庭教師は「以前のルーク様でしたら容易くこなされましたのに」と眉を顰めて愚痴るのに本当に嫌気がさした。
父上はオレなんかいないみたいに普段生活してるし、母上はそんなお可哀そうらしいオレが心配で体調を崩して部屋から出て来れないことが度々ある。それについては、ちょっと胸が痛くなる。母上のことは好きだから。
そんな中でガイだけは「お前はお前だよ」って笑いながら言ってくれる。「無理して記憶なんか取り戻さなくたって、今のお前がいいよ」って。
ガイがオレの頭を撫でながらそう言ってくれるだけで、こんな生活もまあもう暫くはそんなに悪くはないかな、なんてあんまり素直じゃないことをオレは考えたりする訳だ。
もう湯浴みも終えた遅めの時間だった。
オレは医者から言いつけられた記憶障害のためらしい日記に、2、3行いつもとそう大差ない文章を書いてペンを置く。
日記帳を閉じて適当に机の上に放るタイミングを見計らったようにコンコンコン、って三回窓がノックされた。
「ガイ!!」
「しっ、ルーク。大きな声を出すもんじゃない。開けてくれるか?」
「ん、ちょっと待て」
ガイが夜にオレの部屋を訪ねてきてくれると寝るまで傍にいてくれるもんだから、オレはそれがすごく嬉しい。
勿論毎日は来られないし、でもたまにあることだから嬉しいんだよってガイは言う。オレにはよくわかんねー。楽しいなら毎日の方がいいんじゃねーの?
とにかく嬉しすぎて大きな声を上げたもんだから咎められてしまって、まあ理由は分かるからオレは頷いてそっとガイを部屋に招き入れた。
部屋に入って来たガイを迎える様に抱きつくと、ガイの体はひんやりしていて気持ちがいい。
きっとガイは湯浴みをしてきたばかりだったんだろう、金色の髪は湿っていて、温まった体温は外の空気ですっかり冷やされて頬が赤くなっていた。
「ガイ、つめてー」
「ごめんな、一応風呂あがったばっかりだったんだが」
「んーん、なんか気持ちいから別にいい。それより風邪ひくなよな」
「ご主人様に心配して頂けるなんて、光栄の極みですよ」
「心配するに決まってんだろ!あとそーゆーのヤメロ。うぜー」
「ははは、つれないねえ」
暫く抱き合ってたけど折角ベッドがあるのに立っている理由もないから、二人でマットレスに腰を降ろした。
ガイが髪を梳きたいっていうから、さっきもしたのになあって思いながらも好きにさせてやることにした。ガイに触れらるのは嫌いじゃないし、…まー好きって言ってやらないこともない。今日は言わないけど。
自分ではよくわからないけどオレはちょっと人見知りの気があるらしい。メイド達や白光騎士のやつらとは長く一緒にいるとは思うんだけど、陰口のことや憐みの視線もあって未だに慣れない。
そんなこんなで身の回りの世話はガイ任せだ。ガイは中でも髪の手入れが特にお好みらしい。やっぱ変なヤツ。
「お前も飽きないよなーさっきも湯浴みした後したじゃねーか」
「さっきは時間が足りなくて満足に出来てないんだよ、眠くなったら寝ていいからさせとけって」
「へいへい」
ガイは鼻歌でも聞こえてきそーな調子でオレの髪をいじってる。オレの髪は音機関じゃねーぞ。
少しうとうとしてきた所で「はい、おしまい」って優しく囁かれて目が覚めた。
振り返ろうとする前に後ろから抱き締められて、身動きがとれなくなってしまった。
それに文句を言う前に耳の裏に口付けられて、反射的に体がびくってはねてしまう。それが恥ずかしくてガイがまだ小さく口付けてる耳の方まで熱くなってきた。
「な、なんだよ…動けねーんだけど」
「うん、ごめんな」
確実にごめんなんて思ってない声で謝られて、むっとする前にため息が出てきた。いつもの事だ。
首に顔を寄せながら、胸とか腹とか、そのまま太ももの方までガイの手が這ってきて緩く撫でまわすものだからいい加減オレの方も変な感じになってきた。
そうなったら後ろからっていうのはあんまり好きじゃない。オレだってガイの顔みたいし、キスだってしたい。
そんな気持ちをこめてもぞもぞ動くと、察したようにオレのことを解放してくれた。
オレがガイの方に向き直ると少し嬉しそうににやついていて、今度こそむっとした。
「最初っからそーしろっつーの」
「抱き心地がいいもんだから、ついな」
「向かい合ってねーと、オレから色々出来ねーだろ」
「色々してくれるのか?」
「し、してやってんだろ、き、キスとか」
「そうだったな、悪い悪い」
「ぜってー思ってねーだろ…」
「バレたか」
おかしそうに小さく笑うガイにムカついて、身を乗り出して噛みつくようにキスしてやった。
ガイはちょっと驚いたみたいで、切れ長の青い目を少し見開いてる。ざまーみろ。
それからオレたちはキスし合ったりお互いの体を暫く触り合ったりしていた。なんかガイによるともっと続きがあるらしいんだけど、オレがもう少し大きくなる までまだお預けらしい。大概子供扱いだからこんなところでも子供扱いだ。もう子供じゃねーっつの。何するのか知らねーけど。
二人でベッドに転がってガイが今日あったことをおもしろおかしく話してくれてるのを聞いてる内にまた眠気が戻ってきて、視界がちょっと狭くなった。
そんなオレを見るとガイはベッドから這い出てふちに腰掛ける。ゆっくり見上げると、ガイもオレの事を見降ろしていた。
「…明日は十五の誕生日だな」
「ん…」
「もう寝ような。明日になったら今日の続き、してやるよ」
ほんとうか?って聞きたかったけど言葉が声になる前に優しく頭を撫でられてそのまま口を閉じた。
今夜もオレが寝付くまでガイはここに居てくれるらしい。明日は誕生日だし、ガイはちょっとだけ大人扱いを約束してくれるし、すごくいい気分だ。
頭を撫でていた手が顔に降りてきて頬を何度か撫でてくる。視界に影が落ちたと思ったら、ガイにキスされていた。
啄ばむようにされたキスはちゅって音が鳴って、それが何度か続いた後唇を舐められる。
ガイが離れるとそこがひんやりして、なんだかすーっとする様な感じがした。
「ルーク、俺のルーク、おやすみ…かわいいルーク」
ガイがオレの名前を呼びながらすっと目を細めて悲しそうな顔をする。
なんだかひどく疲れているようにも見えるその表情は、今見るのが初めてって訳じゃない。
屋敷の玄関に飾ってある剣を見つめている時とか、昼間庭で遊んでるオレを遠くから見つめている時とか、あと今みたいにオレが夜眠りに落ちる直前にする顔だ。
だから夜にその顔を見ると、もう一日が終わるんだなって思う。でも今日はいつもより眉を顰めているような気がする。
いつもだったらキスで終わる筈なのにガイはまだオレの顔を撫でていて、頬から首に流れると片手だったそこにもう一方の手もそえられる。
温かい体温に包まれて、血管がとくとくとなっているのが耳に響く。なんだかひどく心地よかった。
「大丈夫だよルーク、明日になってもあいしてる」
「がい…」
あいしてる、っていうのは好きのもっともっとすごいやつなんだ、ってガイから聞いていたのでオレは嬉しくなった。
もう眠くて名前を呼ぶので精いっぱいだ、明日起きて「誕生日おめでとう」って言われたらありがとう、オレもあいしてる!って返そう。
「出会った時から、どんなに先まで、俺にはお前だけだ」
きゅうっと少し力がこめられた手のひらからますます強く体温を感じる。オレとは違って大きな大人の男の手をしたガイのそれに包まれている事実にオレは無性に安心して、目を瞑るとそのまま意識を手放した。
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